
銀行員・身体売ります 前編: リストラ出向辞令
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内容
時は1990年代の終わり。 バブル崩壊後の日本経済は低迷を続け、金融機関は存亡の危機に瀕していた。 大手都市銀行『大成銀行』の本店会議室でも、働き盛りの中堅行員・鶴田がリストラ退職を言い渡される。 家族と家のローンを抱えて辞めるわけにいかない鶴田。 何でもするから退職だけは勘弁してくれと、プライドを投げ捨てて泣きつく。 若い人事担当者2人がニヤリと笑う。 「何でもするって本当だな」 鶴田に提示された出向先は、聞いたこともない子会社。 その会社の実態はスーツ姿のビジネスマンが身体を売る、男性客相手の出張ホストクラブだった。 「仕事の適性をチェックしてやるよ」 会議室の真ん中で素っ裸にされ、若い人事部行員たちの肉欲を突きつけられる鶴田。 咥えるか、それとも辞表を書くか。鶴田が出す答えとは。 前後編全2話の前編です。 初出:雑誌「ジーメン」 ※掲載時タイトルは『出向辞令・前編』 表紙イラスト:木村べん(@STUDIOKAIZ)

銀行員・身体売ります 前編: リストラ出向辞令