あいつの部屋の俺のひきだし二つ分

あいつの部屋の俺のひきだし二つ分

著者

内容

★★★★★ チャイムが鳴っていた。何度も鳴っていたらしく、父がこちらを見つめている。ようやく意識がそちらに向き、インターホンをとるとデイサービスのお迎えだった。すっかり忘れていて、あわてて用意をした。 「すいません、うっかりしてて……」 父の車椅子を押して玄関に出ると、あの中年の介護士がむすっとした顔で俺を見た。待たせたから怒っているのかと思うが、ジロジロと見てくる様子はどこか違っている。思えばその時から予感があった。一時間ほどして書き物の仕事をしているとチャイムは鳴らず玄関の開く音が聞こえてきた。兄貴でもきたのかと思ったが誰も入ってこない。のぞきに行くとあの中年男がヌッと立っていた。 「あの、なんでしょうか?」 「お昼の薬が入ってなかったんですが」 父に持たせる薬を忘れていたらしい。あわてて用意した。 「ほんと今日はすいませんでした」 頭を下げて薬を手渡した。しかし中年男は黙ったまま俺を見上げている。 「あの、まだなにか?」 そう言いながらもうわかっていた。中年男に手を握られても驚かなかった。ジャージのズボンの股間に手を押しつけられても。 「あ……」 手の下でそれがかたくなってくるのがわかった。俺の体も熱くなる。肩を押された。玄関に降りて、中年男の足下にしゃがまされた。頭をつかまれて、顔を股間にこすりつけられた。ジャージに染み付いた匂いなのか、小便臭いようなきつい男の体臭がした。口の中に唾が溜まっていた。 「ちょっと待て」 中年男がジャージの前を押し下げて生のそれをつかみだした。べたついた太いちんぽが顔の上に転がった。 ★★★★★ 毎週末、年下の恋人の部屋に通う三十歳の主人公。 五年続く関係だがセックスも気持ちも相性がよくなにもかもうまくいっていた。 しかし実は……。 無邪気で若々しい年下の恋人、その隠された生活を覗いてしまった主人公の葛藤。 ゲイ官能小説。 初出『バディ』。 掲載時は武古田征男名義で発表。

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