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クルージング 前編(全二回)

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クルージング 前編(全二回)

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内容

★★★★★  やがて車はヨットやクルーザーが整然と並ぶ巨大で美しいマリーナの中へ入っていった。まだ早朝で日が低いため、青い海原が銀色に輝いてまぶしい。私が目を細め手でひさしをつくっていると、ジョージがハンドルをまわしながら、あの船だと指さした。  ロバンソン号は二十トンに満たないクルーザーだった。だが、客が私たち二人だけと考えると分不相応に大きく思えた。白い船体はぴかぴかに磨き上げられ、背の高い半裸の白人が荷物を運び込んでいる姿が見えた。  車が止まり、外へ出ると、船の中から船長とおぼしき男が降りてきた。なるほど日系人らしい顔立ちをしているが、上背のある巨体に顔いっぱいに生やしたひげ、それに茶色がかった髪の色や丸々と太い腕の毛深さが、白人の血の濃さをあらわにしていた。 「どうも、山下です」  船長はいくぶんなまりのある声で言い、私と橋田さんに手を差し出した。私は日差しに目を細めながら手を握った。船長の手はグローブのように大きく、手の甲や指の背にまでびっしりと毛が生えていた。その上、汗か潮でベタついていて、少し気持ちが悪い。 「よろしく船長、沢渡です」 「ジョージのことはもう知ってますね。もう一人、クリフというコックがいるんですが……」  船長は英語でクリフのことを呼びつけた。英語というのはおおむねはっきりとした表現をするものだが、船長の口調はずいぶん荒っぽいものだった。船の中から飛び出してきたクリフの様子もあいまって、まるで飼い犬を呼んでいるような印象を覚えたくらいだ。  コックのクリフはさっき車の中から見えた金髪の男だった。背が高く遠目にはひょろっとしているように見えたが、こうして近くで見るといい体であることがわかった。鍛え上げられた胸板は汗で濡れ、胸毛が生えていた。だが金髪で透けて見えるせいか、船長ほど獣じみてはいない。目が青く顔立ちも整っているのだが、その態度は奇妙なほど卑屈だった。今時の若い日本人よりもずっと深く頭を下げ、たどたどしい日本語で挨拶した。 「ヨロシクオネガイシマス……」  そこでジョージがクリフを呼びつけた。クリフはペコペコと頭を下げてから走って車のところへ行き、私と橋田さんの荷物を両肩に担ぎ上げた。どうやらこの三人の中でクリフは一番下の人間らしく、ジョージに対しても卑屈に振る舞っているようだ。ジョージも船長と同じように、飼い犬を操るようにクリフと接していた。 ★★★★★  釣り仲間とクルージング旅行に出かけた中年男、沢渡。  貸し切りクルーザーで釣りを楽しみ、酒を飲む。  最高の休日のはずだったが……。  妻も子もいるノンケ中年男が男しかいない船の上で未知の官能に飲み込まれていく。  ゲイ官能小説。  初出『ジーメン』。

クルージング 前編(全二回)

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